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シリーズ【未来を創る若手たち】 シェアサイクル事業の現在と未来

こんにちは!ギョーカイ話 ☆ケーブルテレビ☆編集局のハットリです。

近年、一定のエリア内に複数配置された拠点において、自転車を自由に貸出・返却できる「シェアサイクル」が地域社会の新たな移動手段として注目されています。そんなシェアサイクル事業の推進に、ケーブルテレビ局の若手社員が先頭に立って取り組んでいます。本記事では、シェアサイクル事業の立ち上げ背景や将来の展望、さらに若手社員ならではの視点から見たこの事業の魅力に迫ります。


シェアサイクル事業に携わる若手社員はどんな人?

今回お話を伺ったのは、TOKAIケーブルネットワークの吉松さん。今年で入社4年目です。
インタビューを通して、普段社内で見かけるスマートな姿からは想像できないようなこの事業にかけるアツい思いを語ってくれました。

取材に応じてくれたTOKAIケーブルネットワークの吉松さんとシェサイクルサービス「パルクル」
趣味は清水エスパルスの試合観戦、サウナ、ジムでのトレーニング
爽やかな笑顔が素敵です!

——この会社に入社するまでの経緯は?
吉松さん:元々、将来は障害のある方の役に立つ仕事がしたいと思って工業高校に進学し、化学を専攻していました。白衣とか着ちゃったりして。ゴリゴリの理系出身です。ですが、ある時ふと自分は理系ではなく文系向きなのでは…?と思って、文系の学部を受験することにしました。

——工業高校出身で文系の学部に入る人ってかなり少ないんじゃないですか?
吉松さん:そうなんですよね(笑)工業高校なので文系大学へのコネクションも無く、大学探しには苦労しました。当初描いていた「障害のある方の役に立ちたい」というビジョンは、「まちづくり」という観点でも実現できるのでは?と思ったことと、漠然とした「東京に行きたい」という思いから、東京にある大学の文学部社会学科に入学しました。

——この会社に入社することに決めた理由は?
吉松さん:ぶっちゃけ特に希望の職種が無くて…自分のやりたいことを突き詰めていった結果、地元に何か還元したいという気持ちが強かったので、静岡で働くことに決めました。地元企業の中でも、静岡県民の生活に深く関わることができるのでは?と思いこの会社を選びました。

——これまでのキャリア変遷やシェアサイクル事業に携わることになったきっかけについて教えてください。
吉松さん:入社当初は営業職に配属され、お客様のご自宅に訪問し提案営業を行っていました。その後、組織変更によって営業企画部に配属となり、配属後3ヵ月は様々な業務に携わらせてもらいました。その後適正を見ていただいた結果、現在のシェアサイクル事業を担う部署に配属となりました。元々清水エスパルスが好きだったことも加味していただいたのかもしれません。


ケーブルテレビが運営するシェアサイクル事業とは?

——TOKAIケーブルネットワークがシェアサイクル事業を始めたきっかけについて教えてください。
吉松さん:当社所在地である静岡市は、都市計画において「市民生活の足として普及している自転車を多面的に活用して、街の活性化に繋げていきたい」という意向を示しています。これに伴い、市内でシェアサイクル事業を立ち上げるべく、プロポーザル型公募として運営事業者を公募しました。その結果、当社が運営企業に選定され、2020年6月より事業開始し今年で4年目を迎えます。

パルクル事業構成図

——どのような事業構成で運営しているのでしょうか?
吉松さん:事業の運営主体は静岡市となっており、ステーション設置のための公用地提供や市民への利用広報を行っています。当社が運営事業者となり、OpenStreet㈱が提供する「HELLO CYCLING」というプラットフォームを利用し、エリア開拓や設備投資など運営全般を担っています。また、「パルクル」という名称は静岡市をホームタウンとするプロサッカーチーム「清水エスパルス」の「PULSE」と自転車の「CYCLE」を組み合わせたもので、清水エスパルスにブランド協力をしてもらっています。

——最近の運営状況、実績について教えてください。
吉松さん:パルクルの利用料金は15分/100円、12時間/1,500円となっています。15分から手軽にお使いいただけるということもあり、多くのお客様にご利用いただいています。事業開始当初94台だった自転車は今年7月の新車投入により700台に、ステーション数は220箇所以上まで増加しました。また、ユーザー数についても、毎月1,500人以上新規ユーザーが増え、総利用者数は約6万人となっています。皆様にご利用いただけているおかげで、昨年度、初の黒字化を達成することが出来ました。最近ではパルクルの認知度も高まり、企業や店舗側からステーションを設置してほしいという要望を受けるようになりました。

——主な利用者層は?
吉松さん:全体利用者数の内、主な利用者は30~40代となっています。しかし、近年では大学生の利用が増加しています。当初決済方法はクレジットカードのみとなっていましたが、PayPayなどのミニアプリ対応になったことや、授業やアルバイトなどに追われる生活の中で隙間時間を大切にすることから大学生とパルクルの親和性が高いのだと思います。


具体的な業務内容

テレビ取材の様子
広報窓口も担当しています

——一概にシェアサイクル事業の運営といっても様々な業務があると思いますが、具体的にはどのようなお仕事をされていますか?
吉松さん:シェアサイクル事業に関する業務全般です。協業している静岡市との調整や新規ステーション設置に関する折衝、イベントの企画、広告販売など多岐に渡ります。広報窓口としてSNSの運用やテレビや新聞の取材も受けています。

エスパルスとの共同イベント
当日もスタッフとして参加します

シェアサイクル事業の魅力と課題

——この事業の魅力は何だと思いますか?
吉松さん:直接的に静岡市民の皆様の力になれるというのがこの事業の魅力です。SNSやステーション設置させていただいている企業様などを通して、ユーザーの方から「便利」「ありがとう」といった生の声を聞けることが励みになっています。シェアサイクル事業は、静岡市、市民・ユーザーの皆様、そしてTOKAIケーブルネットワークみんなで作る事業だと思っています。

——課題に感じていることは何ですか?
吉松さん:地域インフラサービスとしての公共性と収益性の兼ね合いに課題を感じています。
また、雨や寒さなど気候にも左右されるサービスなので、今後は利用者が減少する時期でも収益が上げられるよう、自転車利用以外での別の収入源を確立していくことも課題の一つです。


やりがいを感じたこと、大変だったこと

——これまでの業務で一番やりがいを感じた印象的な出来事は何ですか?
吉松さん:今年7月に開催された「安倍川花火大会」で過去最高の売上を達成できたことです。臨時駐輪場設置借用地の交渉や事前の利用促進PR活動、当日の運営など、自らが主体となって行った企画が成功したのはとても嬉しかったです。

——反対に一番大変だったことは何ですか?
吉松さん:自社制作チャンネルで放映するCMを制作したことですかね。広告代理店を挟まずに、絵コンテの作成から撮影許可取りまで自分で行いました。初めてのことですし、普段行っている業務とのギャップからプレッシャーはすごかったです。


若手としての視点

左:上司の齋藤課長 右:吉松さん
お二人のチームワークの良さが事業の発展に繋がっています!

——若手社員として、どのように自分の意見やアイデアを反映させていますか?
吉松さん:事業方針からSNS運用、イベントの企画運営、グッズ企画など様々な点において、積極的に自分の意見やアイデアを出すようにしていますし、若手ならではの目線や自分だからこその意見を会社からも求められていると思っています。例えばSNS運用であれば、インスタグラムは新規ステーション設置のお知らせやイベント告知をメインとして発信し、X(旧Twitter)はユーザーとの交流の場として活用しています。パルクルの「中の人」として、相互コミュニケーションを楽しんでいます。
また、若手だからという視点とは異なりますが、地元出身者だからこそサービス提供を行う静岡市の土地勘があって、「ここにステーションを設置したら便利なのではないか?」と実際のユーザーの立場に立って考えられるのが自分の強みだと思います。


事業の将来展望

——シェアサイクル事業の将来展望をどのように見ていますか?
吉松さん:より一層認知拡大に努め、利用ユーザーを増やすと共に規模拡大をし、交通としての信頼度を高めていくことで、電車やバスに並ぶ静岡市にとって無くてはならない一交通手段にしていきたいです。静岡市民に愛されるサービスでありたいですね。まだご利用いただいたことのない静岡市民の方にはぜひ一度乗ってみていただきたい!
今後は、パルクルを通じて「面白さ」も提供できるような仕掛けを考えていきたいです。


読者へのメッセージ

——読者の方へ一言メッセージをお願いします。
吉松さん:現在私は、若手である自分でも事業の中核となる部分を任せてもらえるようなポジションで働かせていただいています。上司や同僚に何でも相談でき、自分の考えに積極的に関心を示してくれて、チーム内で建設的にコンフリクトできるありがたい環境にあるなと日々感じています。また、職場には歳の近い先輩や後輩も多く、和気あいあいとした雰囲気で楽しく仕事ができています。
今後も、新しい風を吹かせてくれるような方々から刺激を受けながら、一緒に会社をより良くしていくために働けると嬉しいです。


おわりに

今回は、シェアサイクルサービス「パルクル」の発展に尽力する若手社員、吉松さんにご協力いただきました。同じ会社にいながら、なかなか他部署の話を伺える機会が少ないので、私にとっても大変貴重な経験となりました。
「ずばり、今の仕事は楽しいですか?」という投げかけに対し、「すごく楽しいです!」と言い切った時の表情がとても印象に残っています。
吉松さん、ありがとうございました。

【プロフィール】

趣味は旅行とライブ鑑賞
食べることが大好きで、おいしいものを探しに全国各地を巡っています

ハットリフミカ
静岡県東・中部をサービス提供エリアとするケーブルテレビ局「TOKAIケーブルネットワーク」に2017年入社。
自社ホームぺージの管理やWeb販促業務を担当しています。


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